新しいCD Del otro ladoについて②

このアルバムはアルゼンチンから音が送られて来て、そこに日本でアコーディオンを録音しアルゼンチンに送った。
全ての曲では無いが、私が録音したものはとはかなり違ったものになった曲がある。
私の演奏を知って下さっている方は聞いていて分かると思う。
彼女は私のアコーディオンフレーズをカットしてギターソロを挿入するといった事をした。つぎはぎだ。
初めからここはギターソロ、ここはアコーディオンと指定して欲しかった。
どうしても妥協出来ない箇所は直して貰うようにお願いしたが結局、直さずに発表してしまった。
「妥協」という言葉は
常に制作にはついてまわる。
アコーディオンソロでなく歌の伴奏をつける場合は歌手のフィーリングを感じながらアコーディオンをつけるが、録音し直されたら同じフィーリングで歌えるわけがないからアコーディオンとはちぐはぐになりかねない。
「kaze no tabi」はアコーディオンのメロディが聞こえないほどのギターソロを入れたものが送られて来てさすがに私の作曲イメージとはかけ離れていたのでアコーディオンソロに戻して貰ったが、アルゼンチンの編集で私が送ったものとは違うものが発表された。
最終段階のミックスに立ち会えないのはこういう事が起きるのだ。
ラウル・バルボサ師匠が私の為に書き下ろしてくた
Melodía sin acompañamientoは全くいじられていなくてほっとした。
チャマメを弾き始めて22年、やっとチャマメトラディショナルをレコーディングする事が出来た。
日本ではCD盤として発表する約束だが、まだGicelaからは送られて来ない。
CD盤を待っておられる日本のファンの皆さん!もう少しお待ちくださいませ!

2021年5月24日 | カテゴリー : チャマメ | 投稿者 : 牧田ゆき

新しいCD Del otro ladoについて①

ヒセラとの共作のCDの
「Del otro lado」が世に出た。ヒセラから一緒にアルバム作らない?とメールが来たのは2016年位か…?あまりに昔過ぎて記憶が確かでない。
私がチャマメのCD「風がたどった道」をメジャーレーベルから出した時に日本のラテン音楽雑誌から「牧田ゆきがチャマメのトラデショナルをCDにする日が待たれる」と書かれたものだ。(このCDアルゼンチンでは高く評価して頂いた)
私はチャマメのトラデショナルを大切に演奏して来て正確には22年になる。(1999年にパーティーでチャマメ演奏をした)
トラデショナルにはチャマメにとって大切な魂がある。
アルゼンチンのリトラール地方で生まれ伝わって来ている音楽。
日本人の私が1998年にラウル・バルボサからチャマメを習い。5年後の2003年にチャマメのトラデショナルをCD録音する勇気は無かった。それほどチャマメトラデショナルには深さがある。キャリア5年程度のあの頃の私が簡単にいじくってはいけない深さがある。
日本音楽の演奏家が60才代になってやっと一人前。と言われているように、そう簡単なものではない。
今回のヒセラからのお誘いはチャマメトラデショナルに向かう良いチャンスだった。
私自身、チャマメの22年のキャリアでどんな音を出すか?たくさんの苦悩もあった。
今、私が辿り着いた音は、やはりチャマメはシンプルに豊かな音をストレートに出していく。
先日のヒセラの「Del otro lado」のライブ配信。を見ながら、
さらに深くチャマメと向き合おうと心に誓った。

2021年5月4日 | カテゴリー : チャマメ | 投稿者 : 牧田ゆき