夏だね！

モクモク入道雲！

ピアニスト中村紘子さん

天声人語に中村紘子さんの描く典型的なピアニスト像は「勝ち気で強情でしぶとくて自己中心的で気位が高く、恐ろしく攻撃的で肩幅のしっかりした筋肉質でどこかピントの狂った頓珍漢…」とあった。
ピアニストだけでなく、どんな楽器の奏者も性格はそんな傾向がある。
そうでなければ、観客の前で演奏する事は出来ない。
テレビで見る中村紘子さんはしっかり芯のある強さと、気品を感じさせてくれる演奏家、との印象がある。
中村紘子さん72歳。病を乗り越え長く演奏を聞かせて頂きたかった。
ご冥福をお祈り致します。

教える、という事

教えるからには、生徒には上手くなって欲しい！先生にとって、なかなか上達しない弟子に苛立つ事が実際ある。しかし、私の場合、アコーディオンの楽しさを伝える事は教える時に忘れてはならない事だと思っている。
通っているスポーツクラブの太極拳のクラスで、「あなたは頭が錆び付いている」と先日、先生に言われた。
早くて目にも止まらぬ先生の動きはよく分からない。今日、ゆっくりもう一度教えて下さいと訴えたら、何故か先生は「頭が固いから分からないんだ」とおっしゃられた。質問する事にこんな言葉が返ってきた事は、長い音楽を、学んできた人生で、ない。
その後「我が強い」など散々、言われた。
私は陳式の太極拳はメリハリのある面白いリズムを持つ太極拳だと思い始めていたがすっかり心は重くなった。
「教え」は難しい。
生徒とは忍耐を持って気長に、優しさ、厳しさを持って付き合って行かなくてはならない。何よりも、生徒が学ぶ事に喜びを感じられるように教える事は大切だ。

バレエ

私はほとんどバレエを見たことがない人間だった。私の中のバレエの記憶は、小学生の頃に友達のバレエの発表会、音大時代にチケットを頂いて外国のバレエ団の公演を1回。それだけだ。しかしながらここ数年、バレエと関わっておられる方と知り合う機会があった。ジムで知り合った櫛方麻未さん。先日、彼女が指導されているスタジオのバレエ公演を見させて頂いた。ジムで、いつも姿勢がシャンと真っ直ぐな姿の彼女とロッカーで初めて言葉を、交わした時の事を覚えている。お互い創造の世界にいる事を私達は何となく感じていた。
私の指の故障の時もずいぶん心配して下さった。私のＮＨＫラジオ深夜便を聞いて下さり「私とゆきさんは似ている」と大変に感動して下さった。
もうおひとり、根本美香さん、彼女とは箱根登山鉄道で出会った。湯本に到着する頃にはすっかり親しくなり、湯本の甘味喫茶で長くお話しさせて頂いた。彼女とはなかなかお会い出来ないが、時々メールでお話しさせて頂いている。
おふたりとも、まだまだご指導だけでなく、しっかり現役である。
バレエと音楽。世界は違えども創造に向かう厳しさは同じ。
彼女たちの為にいつか作曲したい。

ゆるキャラ

各地域にゆるキャラと言われるマスコットキャラクターがいて、ふなっしーみたいに有名なゆるキャラもいるが。私は小さい頃、あのような人間が入ったマスコットキャラクターに無邪気に喜べる子供ではなかった。
大人になり、野球の球団マスコットなど、見て面白い、と思えるようにはなったが…。
先日見かけたマスコットキャラクター、遠目に見れば可愛いのだが、近くに行くと、何かしら不思議な感覚に襲われた。中に入っている人間は我々には見えない。
子供の頃、無邪気に喜べなかった私は、中に入っている得体の知れぬ人間と外見の違いに何かしらの恐怖を感じていたのかもしれない。

今日見かけたユルキャラ

ポンピドゥーセンター傑作展

ポンピドゥーセンター傑作展（東京都美術館）、に行って来た。懐かしいパリ時代の記憶が蘇る。
チャマメ留学１年目の住まいは、ポンピドゥーセンターの裏にあるアパート。私の部屋からはポンピドゥーセンターの側面のパイプが見えた。外国暮らしは初めて。心細い私に強烈な印象を残した風景である。
1999年、夏、ポンピドゥーセンターは工事中であった。ポンピドゥーセンターの横をレッスンの帰り12キロのアコーディオンを背負って、または夕食の為にスーパー袋をぶら下げて、チャマメにワクワクしながら、時にはどうしようもなく疲れた体を引きずり。チャマメの仲間もなく、異邦人ただ一人のパリ。ポンピドゥーセンターはあの頃、あの時の私の風景にいつもいる。