まえがき

アルゼンチンのチャマメという音楽。
日本ではまだまだ知られていないこの音楽を演奏して来て23年の月日が流れた。
2001年頃には多くのメディアで取りあげてもらい「なんとなく覚えている」という方もおられるかもしれない。
2003年にリリースしたCD「風がたどった道」(キングレコード)がCDラックの片隅で眠っているという方もおられるかもしれない。

私がチャマメと出会ったのは1998年のコンサートでのラウル・バルボサの演奏。
音楽仲間が言うには、音楽の神(ミューズ)が「“この音楽をお前に与える”と言われて心に入って来たんだよ」
そうかもしれない。
私はあの日心だけが宙を浮いているような感覚に襲われた。
私はチャマメと出会うまでたくさん音楽を経験し彷徨い続けていた。
音楽を志して20年近くたって出会ったチャマメ。
その迷い道、寄り道はすべてチャマメに繋がっていたと感じている。
たくさんの挫折。
七転び八起き。
日本人の私が外から感じるアルゼンチン音楽チャマメの魅力。
私の音楽感。
アコーディオンの魅力。
これから語って行きたいと思う。

2022年12月10日