チャマメとの出会い

1998年9月12日。
「スーパーアコーディオンコンサート」M・アゾラさん率いるフランスのアコーディオン奏者が数人演奏(フランス在住を含めて)

私は前から1列目か2列目の席だった。
クラシックアコーディオンの「熊蜂の飛行」の演奏が終わって、次は何かな?とプログラムに目を落とし、
何か空気が変わった気がして見上げると、アコーディオン、ギター、パーカッションの3人がそこにいた。
第一声からそれは心地良かった。
ステージ上の空気が活き活きしている!
今まで私が知っていたアコーディオンの音では無かった。カルチャーショック。
K・ベーム&ウィーンフィル以来の衝撃だった。
それはラウル・バルボサ・トリオ。
1部最後の15分の演奏。
休憩時間、私は宙をフワフワ歩いている感じだった。仲間が席の傍にいたが私は完全にバルボサ氏の音の中に入り込んでいた。
それが「チャマメ」だった。

その日買ったバルボサのCDを聞き込み、銀座山野楽器でも、CDを買い、
夢中になった。
「弾きたい!」
耳コピーをしたが判らない奏法がたくさんある。カセットに入れて僅か1、2音を徹底的にコピーした。
どう弾いてるのか?
それはクラシック音楽のアカデミックな学びには全く無いものだった。
次第に、直接習いたい。という願望がムクムク起き上がり、
金子先生に訴えると「南米音楽なんて…。ヨーロッパの方がいい」とはねのけられた。
それでも諦めない私に、金子先生はついにアコーディオン研究家の渡辺芳也さんを紹介してくれた。
彼ならきっとバルボサ氏に辿り着けるだろう。と…。

2022年12月28日